2018/02/12

番外編:読書三昧2

タイトル:漂流
著者:吉村昭
発行所:新潮文庫
読んだ人:KK

ページ数400Pであるが、一気に読んでしまう。
ただ一人アホウドリを共に暮らす気持ちはいかがなものだったろう。


こちらは有名「黒部第3ダム」建設を描いた「高熱隧道」
泡雪崩の恐ろしさと隧道内に湧きだす熱水が迫ってくる
世の中の人は、大別すると「山派」と「海派」に分れるだろうか。私は当然「山派」ですが。生まれて初めて海を見て、波に足を浸したのは小学校に入った時だろう。臨海教育なるもので、山から一番近い柏崎の鯨波だった。海はどこまでも広く、当然足は着かない。泳ぎを楽しむのではなく、砂浜で戯れるのが目的だったのかなあ。
水遊びと言えば、近くの(それでも子供の足で40~50分くらいかかった)川だった。濁りの強い川で、それでも楽しかった。ただ、誰も泳ぎなるものは教えてくれず、そのまま大人へと成長していってしまい、水に対する、特に海に対する憧れは少しも持たなかった。だから塩辛い海辺は、あまり好きではない。大海原で船が沈没、そのまま藻屑となってしまうなんて絶対いやだ。

「漂流」は和船が嵐に会い、黒潮に流されるままに孤島に辿りつく物語だ。この本は小説ではあるが、吉村昭氏は史実を丹念に調べ上げて執筆しているので、ほとんどノンフィクションである。島に流れ着き、幾多の試練を乗り越え、長い年月の末に故郷に戻った感動の物語である。人間諦めてはいけない、深く思わされる一冊である。

0 件のコメント:

コメントを投稿