2016/09/27

北海道大雪山4~5日目

9月20日(火)十勝岳温泉登山口~富良野岳~カミホロメットク避難小屋泊

前日のうちに食料を整え直し、十勝岳温泉駐車場でテントを張って前泊。頑張れば日帰りも可能なルートを避難小屋で一泊の予定としたので急ぐこともなく6:50に行動開始する。

登山口から30分ほどで安政火口を望むヌッカクシ富良野川の谷に着く。荒々しくスケールの大きい景観に圧倒され「すごいねえ、すごいねえ。」を連発。自分の語彙の少なさに悲しくなるが、まあ気にせず先に進む。



「すごいねえ。」の安政火口手前の景観。火山活動監視の装置が建っている。

上ホロ分岐を右に進みゴーロ状の涸れ沢を登り、その後山腹をトラバースする低木帯をあるく。向かう富良野岳を見ながら歩けるところが多く気分がいい。なんとなく「富良野」という響きから女性的で柔らかな山容をイメージしていたが、どうしてなかなか存在感のあるどっしりとした山だ。とは言え、どっしりとした女性もたくさんいるけれど(自分も含め?)。

9:30、富良野岳分岐でザックをデポし、山頂を往復。山頂からは、これから向かう十勝岳方面の山並みが見渡せる。…遠い。
大雪山南端の富良野岳

富良野岳から十勝岳(奥のトンガリ)

10:40、富良野岳分岐から十勝岳方面への縦走路へ入る。
この辺りは「ヒグマ注意」とされているのできょろきょろしながらハイマツ帯を行く。会いたくはないけど遠くから見られたらいいなあ、と都合のいいことを思いつつ。

この頃から風が強くなり、連日の疲労も出て「もうやだ、歩きたくない、けど歩かないと今日寝るとこに着かない。」と半ばやけくそで岩峰の三峰山を越え、上富良野岳に至る。やけくそで歩いた区間はやけにコースタイムを短縮していた。
上富良野岳付近の稜線から見下ろす安政火口側

強風のため、カミホロメットク山の山頂を通る稜線ルートから外れ、巻道ルートを選択。
こちらはなんとも雰囲気がよろしい。たおやかに伸びる稜線を眺めながら強風に煽られる心配もなく、そこここでナキウサギの声を聞きながらスキップでもしたくなるような気分で避難小屋へ向かう。

13時頃にはカミホロメットク避難小屋に到着し、ガスと強風のため外に出ることもほとんどないままにビールを飲みながら後続の宿泊パーティーを迎える。
小屋泊は全部で7名、テントは4張ほど。
黒岳、旭岳からの縦走者の話を興味深く聴き、「いずれ私も」の気持ちが熱を持つ。

カミホロメットク山をトラバースするルートから鞍部の避難小屋を見下ろす







9月21日(水)十勝岳~カミホロメットク山~十勝岳温泉登山口

深夜にはガスは晴れ、月明かりに周囲の岩峰が浮かび上がる。
3:30に起床し、十勝岳山頂へ向けて出発する。薄暗いが、月の明かりも手伝ってヘッドライトの必要はほとんどなかった。
山頂からは遠くにトムラウシの双耳を認める。自分が今いる十勝岳の影が雲海にくっきりと浮かび上がる景色も印象的だった。
「毎日が天国…」。
でも明日には帰るのか…と考えたくないがそろそろそんな気持ちも頻繁に頭をもたげる。



深夜月明かりに浮かぶカミホロメットク山(左の岩峰)

夜明けの十勝岳山頂

遠くにトムラウシ

雲海に映る十勝岳

8:00、下山を開始。上富良野岳分岐で大雪山方面の景色とはお別れ。「見納めだな。」の言葉に本気で涙が出るほど寂しくなり、長いことそこに留まり記憶しておこうと努める。
安政火口の眺めも、何度も何度も振り返りながら後ろ髪を引かれる思いで後にし、10:30頃に十勝岳温泉に下山した。
次いつ来られるかな…
ところで、下山後の十勝岳温泉、この時は女性露天風呂だけ湯温35℃で温水プールのような感じ。暖かい日中ならいいが、それ以外では浸かっていられない。


おまけ
後ろ髪を引かれ過ぎて帰宅の前日もやはりお山で過ごしたいと思い、豪勢な食材を調達した後に旭岳温泉のキャンプ場で最後の宿泊となった。
これから飛行機に乗るという22日にも、最後の悪あがきで朝一番、旭岳ロープウェイに乗りその勇姿を目に焼き付けてきました。

3日前はあの山頂にいたんだなあ。



みっちり詰め込んだ5泊6日の今回の山行。
再訪を心に誓って、空港を後にしました。


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