2012/08/27

2012.8.25-26万太郎本谷遡行

メンバー:SH(L) TU MU(記録)

8/25(土)
6:00 土樽万太郎山登山口手前駐車スペース集合
6:40 堰堤より入渓
7:35 関越トンネル通気口
8:00 オキドウキョのトロ
11:00 一ノ滝上部
13:10 三ノ滝手前ビバークポイント着・タープ泊

8/26(日)
7:15 行動開始
8:45 三ノ滝上部
9:00 KKさんと無線交信
9:20 二俣
11:20 谷川岳肩の小屋着
12:00 下山開始
13:30 天神平着~土樽へ車両回収~名ケ山山荘

まずは…サポート山行をしてくれたKKさん、本当にありがとうございました!

25日、集合場所に到着する数分手前で遡行シューズとスパッツの入った袋を忘れてきたことに気付くM。
二人をお見送りすることになるのかな…とがっくりしながらSHさんと合流。すると、T君、車内から古いシューズを放り出す。
物持ちの良さに感謝し、自分の足の大きさを褒めつつ、無事に出発する。

ここで、昨年西ゼンの遡行でお会いした栃木からの単独の岳人に声をかけられ、驚く。きっとまた、どこかの沢か雪山でお会いするでしょう。

登山道入口先の巨大な堰堤から入渓する。
















天然のウォータースライダーで大人が遊びます。

















美しく侵食された岩に見惚れながら先へ進む。
















川棚沢が出合うあたりで突如現れる大きな建造物。新潟県側の関越トンネル通気口。
















谷にも朝日が入り、二条のすだれ滝がきらめく。オキドウキョのトロの入口。ここから先、初の泳ぎとなる。ザックが重い。本当に浮くの?溺れかけたらすぐにロープ出してくださいね。…と、先に対岸に泳ぎ着いたSさんに何度も確認し、意を決してえいっと離岸。
















…どう見ても溺れているようにしか見えないけれど、亀のように泳いでるのです。足が着かない、着衣、ザック、流れ。プールで泳ぐことができても全然勝手が違います。















25キロほどと思われるザック(5リットル以上の酒のせい)を担いでいたT君はさらに難儀。
















安全に泳げる釜ではザックを下ろして泳ぐ、泳ぐ。調子に乗っていると全身寒イボが…。
遡行目的の「避暑」、早くも達成。
















飛び立ってはまた指に止まる、人懐っこい(?)トンボ。
















温泉に浸かっているかのような快適さ。小滝とナメ床を味わいながらの気持ちいい遡行。

















しかしこの後で小さなトラブルが。
なんてことない岩で滑り、M顔面を打ち付ける。痛みで顔を上げられず、また、足元の釜の深さも分からなく滑り降りることもできず。
「カエルみたい」と言われた格好のままSさんのお助け紐に掴まって立ち上がる。
口からタラタラと血を流した顔、自分でも見てみたかった。その顔を見たお二人は「遡行中止、下山」と思ったらしい。
幸い、前歯と鼻が痛むのと唇を切っただけだったので垂れる血をそのままに前進する。
ヒツゴー沢の時といい、何かしらやってしまう鈍くさい私…。


もう一つのトラブル↓
休憩ポイントでハーケンの打ち方を実演してくれたSさん。
「なるほど。でもそれで墜落を止められるのかしら、やっぱり不安…」なんて思っていたけれど。

回収しようと、ハンマーで叩いても叩いてもバイルで引っ張っても引っ張っても抜けません。
結局、残置。
ばっちり決まったハーケンは、身を守ってくれるということがわかりました(^^)
後日、安全地帯に決まったハーケンを見かけて不思議に思う方、それはSさんの仕業です。
















高度感と足場の悪さに躊躇しているMの腕をしっかりホールドしてくれるSさん。頼もしいリーダーです。















ナメ床を堪能する。
















11時頃、今回の遡行の核心20mの「一ノ滝」に到着。
左岸を巻く方法もあるが今回は登る。















Mにとっては乏しいホールド、滑る岩、高度感、始めて使うタイブロック…。セカンドで登り始めるが序盤で早くも行き詰まり感。
難所を越えたかと思ったら支点のヌンチャクかけ替えを忘れ、後退…。
下で見守るT君から「降りるか?」との声。
「もう一回。」と、踏ん張って上部へ。
非日常的な緊張感から解放される。
えらい時間かかってしまって申し訳なかったです。後続パーティーがいなくて良かった…。





















この後は、ゴーロ状をしばらく行き、何なく登れる10m二ノ滝を越え、ビバークポイントを探す。
私達が先頭パーティーだったため、最適な場所でビバークできたが、ポイントは少ない。
後続5パーティーほどいたが、中には大岩の上で直に寝ていたパーティーも。

今回は天気も良さそうだし、タープのみの一夜の宿。
虫も居らず、気温もシュラフカバーのみでちょうど良いくらいで快適だった。
















今回は凍らせた肉を持ち、とん汁と鶏照り丼を作る。
ソーセージや茄子の炒め物、Sさんの好物オイルサーディンなどでじゃんじゃんビールの空き缶が増えていく。
焚き火での炊飯も美味しくできた。
















開けた場所でのビバークだったので、岩の上に寝転がりながら暮れゆく空や、瞬き始めた星や流れ星を見ながら時間が通り過ぎていく。





















翌日、いくつか他パーティーを見送りゆっくり目に行動開始。
すぐに二段30mの三ノ滝が現れる。
下部はホールドもしっかりしておりまずまず登りやすい。
















上部は濡れた逆層スラブで慎重に登る。
トップで上部にいたSさん、先行パーティーの墜落を見たそうだ。
大事に至らず本当によかった。





















三ノ滝を越えると徐々に水流が細くなり、いよいよ源頭部の様相。
…と、ここからが長い。
9時、サポートとして天神平ロープウェイ駐車場に車を停め、西黒尾根から谷川岳へ登ってきてくれているKKさんと無線交信。
この時点ですでに谷川岳山頂にいるとのこと。
さらに一ノ倉岳往復をし、肩の小屋で合流予定。
















KKさんを待たせてしまうと思いつつも、足どりは重く、ペースは落ちる一方。
遡ってきた谷を見下ろしもうひと踏ん張り。


すると、稜線の方からKKさんの声!
嬉しい!
走るような気持ちで(でも実際は亀の歩みで)腰までの笹薮を抜けて肩の小屋へ抜ける。

















なんとなんと、冷たいビールと桃を担いでくれていたKKさん!
アルコールと桃の甘みとKKさんの優しさが全身に染み渡ります。
















Kさん、ありがとうございました!
















天神尾根を下り、ロープウェイで駐車場へ。
Kさんの車に乗り込み、足を動かさなくても前に進むことをちょっと幸せと思ってしまいつつ、土樽へ車を回収しに行く。

その後、またしても名ヵ山山荘へ立ち寄り、お茶飲み話。
今回はこしじの閉店時間に気をつけ、惜しみつつ十日町を後にする。

…6時半にこしじに着いたのに。
「閉店しました」…。

終わり












4 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。こしじ残念でしたね。次回は腹いっぱい食べましょう。今までのブログで一番長い文章!それだけ今回の山行が充実していたのでしょう。これからもたくさんの経験と技術を磨いていきましょう。

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  2. 蓬平さん、ありがとうございました。お陰様で大充実の二日間を過ごすことができました。新しいこと、印象的なことが多くてずい分長い記録になってしまいました(^_^;)
    こしじは残念でした…。T君もため息ついてました。
    これからもご指導よろしくお願いします。

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  3. テン場でご挨拶させていただいた町田グラウス山の会のZENです。当会のHPの掲示板に書き込みいただきありがとうございます。三ノ滝では、皆さんにご心配をお掛けし申し訳ありませんでした。幸いに、かすり傷一つなく、遡行も予定通り続けることができ、皆さんとほぼ同時間に、稜線に出ることができました。来々週は前川大滝沢に、9月末に笹穴沢に行く予定です。
    いずれかの沢、山スキー等でまたお会いできることを楽しみにしております。

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    1. ZENさん、お疲れ様でした。
      怪我しなくて本当によかったです。

      ブログにお越しいただいてありがとうございます(^^)
      町田グラウスさんのHPも見せていただきましたが、山行・教育活動ともに、とっても活動的ですね!

      きっとまたどこかの山でお会いすることでしょう。私達も楽しみにしています。

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